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結婚式・披露宴の準備は、ゲストへの感謝を形にする大切な時間ですよね。中でも「引き出物」は、お祝いの席にお越しいただいたゲストへ、日頃の感謝の気持ちを伝えるための特別な贈り物です。
しかし、「いくらくらいが妥当?」「品数は?」「式場以外で買うと手数料がかかるって本当?」など、具体的な悩みも尽きないものです。この記事では、結婚準備のプロが、最新のトレンドや見落としがちな実務の注意点まで、由来から現代の一般的な構成、選び方のポイント、相場、渡し方、さらには地域ごとの慣習まで、結婚準備のプロが分かりやすく徹底解説します。この記事を読めば、あなたも自信を持って、ゲストに心から喜ばれる引き出物を選べるはず。さあ、最高の結婚式を創り上げるための第一歩を踏み出しましょう。
「引き出物」とは、披露宴の招待客へ感謝を込めて贈られる記念品です。平安時代、宴の主催者が客の馬を庭に「引き出して」贈ったことが由来とされています。

現代では、結婚披露宴などの祝い事の際に、招待客へ感謝の気持ちを込めて贈られる記念品のことで、披露宴で提供された料理の一部をゲストがお土産として持ち帰る習慣から発展しましたが、現在では料理とは別に「メインギフト」「引き菓子」「縁起物」の3品(または2品)をセットにして贈るのが一般的となっています。
メインギフトは、引き出物の中で最も中心となる品物で、ゲストへの感謝の気持ちを具体的に示す大切なアイテムです。十数年前は「重い物」「嵩張る」ものが重宝され木箱に入った食器やタオルなどが好まれたり、ゲストが好きなものを選べるカタログギフトが選ばれましたが、近年ではカタログギフトがオンライン化したカード型のカタログギフトが増えてきています。
引き菓子は、宴席でのお料理を「お土産として自宅でも楽しんでほしい」「家族にもおすそ分けしてほしい」という名残から贈られるお菓子です。日持ちする焼き菓子が選ばれることが多く、夫婦の円満な関係を象徴するバームクーヘンなどが定番として人気を集めています。
縁起物は、結婚というおめでたい門出にふさわしい、幸運を招く意味合いが込められた品物です。昔ながらの品としては、結びつきを意味する鰹節や昆布が代表的ですが、近年では、ゲストの好みに合わせて選べるレトルトカレー、スープセット、入浴剤なども人気があります。
現在では「メインギフト(記念品)」、「引き菓子」、「縁起物」の3品、または2品をセットにして贈るのが一般的となっており、贈り方として「引き出物宅配」と「引き出物カード」の2つがあります。
結婚式後にゲストの自宅へメインギフト、引菓子、縁起物をセットしてゲストの自宅へ郵送する方法です。ゲストの持ち運び負担を軽減できます。
引き出物カードとは、ゲストに後日好きな品物を選んでもらえるギフトカードのことです。式当日に持ち帰る必要がなく、ゲストが引き出物全て自分で選べてお届け日も指定できるので、引き出物宅配よりゲストの自由度が高くなります。
引き出物の金額は、時代とともに変遷してきて今の相場を良く知ったうえでゲストに喜ばれる引き出物を選びましょう。
引き出物の金額は、引き出物の予算を考える際には「品物の金額」と「総額の予算」があります。
メインギフトの金額は、一般的に「ご祝儀の10%程度」と言われて、ご祝儀3万円に対してはメインギフトは、3,000円程度の品物を贈るのが一般的で、引菓子、縁起物はそれぞれ1,000円として3品であれば5,000円として考えます。
そもそも日本の贈り物文化には「半返し」という概念から飲食代と引き出物の総額がその半返しの対象となります。これは、お祝いをいただいた感謝の気持ちと、おもてなしのバランスを取るための慣習と言えるでしょう。
結婚トレンド調査一人当たりの引き出物セットのギフトの費用の全国平均は6,000円となっています。
引用:ブライダル総研 結婚トレンド調査2024 報告書(首都圏)(https://souken.zexy.net/data/trend2024/XY_MT24_report_06shutoken.pdf)
これは、メインのギフトは8割近くがカタログギフトもしくはカード型のカタログギフトが選ばれており、そのカタログギフトには商品代の他に一般的にシステム料が800円ほど加算されて、さらに消費税を加えると6,380円なために、近い数字になっていいます。
引き出物の相場は、ゲストとの関係性によっても変わってきます。具体的な目安としては、以下のようになります。
| ゲストの層 | ご祝儀の目安 | メインギフトの予算 | セット総額の目安 |
| 友人・同僚 | 3万円 | 3,000円〜 | 5,000円〜 |
| 親族・上司 | 5万円〜 | 5,000円〜 | 7,000円〜10,000円 |
| 主賓・親戚 | 10万円〜 | 10,000円〜 | 12,000円〜 |
※セット総額 = メインギフト + 引き菓子(1,000円〜) + 縁起物(1,000円〜)
ただし、これはあくまで一般的な目安です。地域による慣習や、ご自身の両親・親族と相談して決めることも大切です。
引き出物は、ゲストへの感謝の気持ちを伝える大切な贈り物です。だからこそ、「本当に喜んでもらえるものを選びたい」と悩む新郎新婦は少なくありません。ここでは、ゲストに心から喜ばれる引き出物を選ぶためのポイントをご紹介します。
引き出物を選ぶ上で最も大切なのは、ゲストが「もらって嬉しい」と感じるかどうかです。日常的に使える実用的な品物や、いくつあっても困らない消耗品は、多くの方に喜ばれますが、生活が多様化している現在では、ゲスト一人一人のニーズを知ることは難しいしプライバシーの観点からも簡単に聞けるものではありません。
リクルート社が運営するブライダル総研の調査によれば、結婚式の記念品のほとんど多くはカタログギフト(冊子カタログギフト50.5%、カード型カタログギフト45.5%)が圧倒的です。
ゲストの好みが分からず品物選びに迷う場合は、贈られた側が自由に品物を選べる「カタログギフト」が大変便利で、最近では、カード型のカタログギフトが急速に増えており、さらにカードのQRコードの「QRギフト」をシールに印字したりデータで出力してオリジナルのギフトが作れるタイプやLINEやSNSで贈れるソーシャル引き出物「スマヒキ」など贈り方が多様化しています。
例えば、以下のようなアイテムが人気です。
結婚というお祝いの席では、縁起を重んじる考え方から、贈るのを避けるべきとされる品物があります。
ただし、現代ではこれらの縁起をそこまで気にしない方も増えています。例えば、包丁は「未来を切り開く」という意味でポジティブに捉えられることもあります。ゲストの顔ぶれや地域の慣習、ご自身の考え方によって柔軟に判断することも大切です。迷った場合は、両親やプランナーに相談してみるのが安心です。
近年では、ゲスト一人ひとりの好みや関係性に合わせて品物を選ぶ「贈り分け」が主流となっています。遠方からのゲストには持ち帰りの負担を考慮して軽いものを贈る、甘いものが苦手なゲストには別のお菓子を贈るなどの配慮がなされます。また、メインギフトの予算をご祝儀に合わせて金額を合わせた贈り分けもされます。
引き出物の「贈り分け」には、新郎新婦とゲスト双方にとって多くのメリットがあります。最大のメリットは、ゲスト一人ひとりの顔を思い浮かべながら品物を選ぶことで、よりパーソナルな感謝の気持ちを伝えられる点です。画一的な引き出物よりも、自分のために選ばれたと感じる品物は、ゲストの心に深く響くでしょう。
また、ゲストの満足度が向上するだけでなく、持ち帰りの負担を軽減できるという実用的なメリットもあります。例えば、遠方から飛行機や新幹線で訪れるゲストには、重いものやかさばるものを避けることで、心遣いを伝えることができます。
贈り分けは、ゲストの顔ぶれや関係性によって様々な方法が考えられます。ここでは、代表的な実践例をいくつかご紹介します。
ゲストのご祝儀の価格を想像するのは、相手の財布を探るようで誰しも気が進まないものかと思います。とはいえ決めなければなりませんが、いろいろ悩んだ末のご祝儀が少なければがっかりするし、多ければ失礼になるというジレンマを新郎新婦は皆さん経験しています。
スマホやLINEで贈るソーシャル引き出物「スマヒキ」は結婚式の後に贈るので、いただいたご祝儀に沿って引出物の価格帯を決めて贈るのでご祝儀とのギャップは起こりません。
引き出物の渡し方には、主に結婚式当日にゲストへ直接手渡す方法と、後日自宅へ宅配する方法の2種類があります。それぞれの方法にはメリット・デメリットがあるため、ゲストの状況や新郎新婦の意向に合わせて選択しましょう。
結婚式当日に引き出物を手渡しする方法は、昔ながらの慣習であり、新郎新婦から直接感謝の気持ちを伝えられる点が大きなメリットです。
メリット
デメリット
近年、増加しているのが引き出物を後日ゲストの自宅へ宅配する方法です。ゲストの利便性を考慮した、現代的な渡し方と言えるでしょう。
メリット
デメリット
宅配を利用する際は、引き出物が届くタイミングで感謝の気持ちを伝えるためのメッセージカードや礼状を添えるのがマナーです。これにより、直接渡せないデメリットを補い、丁寧な印象を与えることができます。
引き出物の購入先を「結婚式場」にするか、自身で探した「外部の通販サイト」にするかは、予算や準備にかけられる時間、そしてゲストへの配慮の形によって大きく変わります。
それぞれのメリット・デメリットを整理しましたので、「安心感と手間」か「価格と自由度」を考えながら比較してみてください。
予算を気にせず掛けられるならば、安心とお任せができる結婚式場がおススメです。
メリット
デメリット
通販サイトで購入する場合は最近では、節約とこだわりを両立させるために選ぶ方が増えています。また、「引出物カード」の登場により通販サイトで購入するデメリットが大きく軽減されています。
メリット
デメリット
| 比較項目 | 結婚式場(提携) | 外部通販サイト(商品) | 外部通販サイト(引き出物カード) |
|---|---|---|---|
| 手配の手間 | 非常に楽(プランナー任せ) | かかる(自分で管理) | かからない |
| 費用(商品代) | 定価(高い) | 割引あり(安い) | 割引あり(安い) |
| 手数料・諸経費 | 紙袋代がかかる | 持ち込み料がかかる | 持込料不要 紙袋不要 ※持込料は少額で割引で十分保管できる |
| 安心感 | 非常に高い | 配送トラブル等は自己責任 | 高い |
| 自由度 | 低い(提携内のみ) | 非常に高い | 非常に高い |
引き出物をどれににするか迷ったら、以下の「判断基準」を参考にしてみてください。
まずは式場で気に入るものがあるか探し、なければ通販サイトを検討しますが、外部から商品を購入すると「持ち込み料 + 紙袋代 + 商品代」の合計が、式場の定価より安くなるか必ず計算してください。また、引出物カードだと熨斗包装して当日渡すこともできます。
「引き出物宅配」もしくは「引き出物カード」のどちらかとなりますが、どちらも通販サイトから購入するのが鉄板です。「引き出物宅配」は通販からでしか販売しておらず、「引き出物カード」は結婚式場から販売していますが、そのほとんどは通販で販売しているものとデザインが違うだけでシステムや商品は同じです。通販で購入した方が価格が安く持込料もかからないのでおススメです。通販で引出物カードを選ぶ場合は商品と価格帯をデモサイトなどで確認してください。
コスパが一番安いのは「引き出物カード」で、通販では割引やクーポンでかなり安く購入でき、前述のとおり結婚式場で販売されているものと同じ中身なので商品もしっかりしています。また、引き出物カードだと持込料が不要で、SNSで贈れるソーシャル引き出物「スマヒキ」は紙袋もいらなくなるのでコスパは最強です。
引き出物を演出の一つとして活用したり、他の人とは違った引き出物を贈りたい場合に新しい演出方法として引出物マルシェやペーパーアイテムとの兼用ができるQRギフトが流行ってきています。
引き出物を使った演出では最高ですが、特に女性を意識したオーガニックな商品がセレクトされるので価格がお高めで持込料がかかる式場ではなかなか難しくなります。
ペーパーアイテムの席札や、エスコードカードにギフトのQRコードを貼り付けるQRギフトも徐々に一般的になってきています。ペーパーアイテムは持込料がかからず、兼用できるのでコスパも良くなります。
引き出物カードをもらったゲストが商品を交換すると賞品が当るくじギフトもgeevaからリリースされています。お色直しの演出などで司会者とゲストが一緒になって楽しめます。
結婚式の引き出物は、地域によって異なる慣習が存在します。特に、品数や内容、金額相場に至るまで、その土地ならではの文化が反映されていることが多いです。遠方からのゲストを招く場合や、新郎新婦の出身地が異なる場合は、事前に確認しておくことが大切です。
日本全国を見ても、引き出物に関する慣習は多岐にわたります。
例えば、北海道では会費制の結婚式が一般的であるため、引き出物が用意されないか、贈るとしても引き菓子のみというケースが多く見られます。これは、ご祝儀制とは異なる文化が根付いているためです。
一方で、東海地方(特に愛知や岐阜)や北陸地方(富山、石川、福井)では、引き出物の品数が多くなる傾向があります。メインギフト、引き菓子に加えて、さらに縁起物や名披露目(なびろめ)と呼ばれる品を加え、合計で5品や7品といった奇数で贈ることが一般的とされています。これは、「分かれない」という意味合いや、より手厚くゲストをもてなすという文化が背景にあります。
また、同じ地域内でも、県や市町村、さらには家ごとの慣習が異なる場合もあります。そのため、引き出物を選ぶ際には、まずは両家の両親に相談し、地域の慣習や家庭のしきたりを確認することが最も重要です。また、結婚式場のプランナーも地域の慣習に詳しいため、積極的に相談してみると良いでしょう。
結婚式・披露宴というお二人の大切な門出を祝ってくださるゲストへの感謝の気持ちは、引き出物を通して形にすることができます。ここまで、引き出物の基本的な知識から、具体的な選び方、マナー、地域ごとの慣習まで幅広くご紹介してきました。
引き出物選びは、新郎新婦にとって悩ましい準備の一つかもしれませんが、いくつかのポイントを押さえれば、きっとゲストに喜ばれる品物を選べるはずです。
大切なのは、まず「引き出物の基本」を知り、次に「ご祝儀とのバランスを考えた相場」を把握すること。そして、ゲストが本当に「喜んでくれる品物」を選ぶための視点を持つことです。さらに、親族、上司、友人といった「ゲスト別の贈り分け」を工夫することで、一人ひとりに寄り添った感謝の気持ちを伝えられます。また、遠方からのゲストや、持ち帰りの負担を考慮した「渡し方」の選択も重要です。地域によって異なる慣習も考慮に入れながら、お二人の感謝の心が伝わる最高の引き出物を選んでください。
